法人税・法人決算
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法人税・法人決算
コラムを閲覧いただき、ありがとうございます。終活・相続/クラウド会計に強い高井俊明税理士事務所です。
法人税の節税は、企業の利益を最大化し、事業の成長を促進するために不可欠な経営戦略です。
この記事では、中小企業から大企業まで、あらゆる規模の法人に対応する多様な節税策を、具体的な事例や数値、税法上の根拠を交えながらわかりやすく解説します。
役員社宅制度は、法人が役員に社宅を提供する際に活用できる節税対策の一つです。
制度を利用することで、会社は家賃の一部を経費として計上でき、役員個人の所得税負担も軽減されます。
役員社宅制度とは、法人が所有または賃借している物件を役員に社宅として提供する制度です。法人が家賃を支払うことで、その一部または全額を経費として計上できます。
会社側のメリット | 法人税の節税: 会社が支払った家賃が損金(経費)として算入されるため、会社の課税所得が減少し、法人税の負担を軽減できます。
社会保険料の削減: 役員報酬として家賃を支給するよりも、現物支給である社宅提供の方が社会保険料の対象外となるため、会社負担の社会保険料を削減できる可能性があります。 |
役員側のメリット | 実質的な手取り収入の増加: 役員が個人的に家賃を支払う場合と比べて、税負担を抑えながら住居費を賄えるため、実質的な手取り収入が増加します。家賃負担の一部または全額を会社が負担することで、その分が役員個人の給与所得として課税されるのを防ぐことができます(一定の要件を満たす場合)。 |
社宅として認められるには、税務上の厳格な要件があります。
区分 | 具体的な要件と税務上の扱い(例) |
会社所有の社宅 | 役員から受け取る家賃が「賃貸料相当額」の50%以上であれば、会社がその不動産に係る減価償却費、固定資産税、修繕費などを経費として計上できます。役員が受け取る利益は賃貸料相当額と徴収家賃との差額です。 |
会社が借り上げて役員に貸す社宅 | 会社が家主から賃借している物件を役員に社宅として提供する場合、会社が支払う家賃の50%以上を役員から徴収し、残りを会社の経費として計上します。役員が支払う家賃が賃貸料相当額の50%以上であれば、差額は役員の給与として課税されます。 |
役員から徴収する家賃は、国税庁が定める「賃貸料相当額」以上の金額である必要があります。
この賃貸料相当額が非常に低く設定されているため、役員は市場価格よりもはるかに安い賃料で住居を確保できるメリットがあります。
旅費規程を整備することで、役員や従業員の出張手当を経費として計上できます。
役員や従業員の出張手当を経費として計上することにより、法人税の節税だけでなく、
出張者の所得税・住民税の負担軽減にもつながります。
旅費規程は、出張の際に支給される交通費や宿泊費、日当などの基準を定めた社内規定です。この規程に基づいて支給される出張手当は、一定の要件を満たせば非課税扱いとなり、会社の経費として認められます。
会社側のメリット | 法人税の節税: 出張手当が会社の損金(経費)となるため、課税所得が減少し、法人税を軽減できます。
事務処理の簡素化: 旅費規程があれば、出張のたびに領収書を精算する手間が省け、経費処理がスムーズになります。 |
役員側のメリット | 所得税・住民税の節税: 旅費規程に基づく日当は、所得税や住民税の課税対象とならないため、実質的な手取り収入が増えます。
実費精算不要: 日当は、事前に定められた金額が支給されるため、個々の領収書を集める必要がありません。⇒この一文は削除 |
旅費規程に基づいた出張手当(日当)は、交通費の実費とは別に支給可能です。
非課税となる要件:
法人では、役員や従業員に退職金を支給することで、その費用を経費として計上できます。これにより、法人税の負担を軽減するだけでなく、退職者の退職所得控除による税負担軽減にもつながります。
法人が役員や従業員に支払う退職金は、適切な手続きと金額であれば会社の経費として認められます。適切な手続きと金額であれば会社の経費として認めることにより、会社の課税所得が減少し、法人税の節税につながります。
会社側のメリット:
退職者側のメリット:
会社側のメリット | 法人税の節税: 退職金は多額になることが多いため、損金算入による節税効果が大きいです。
従業員のモチベーション向上: 安心して働ける環境を提供でき、優秀な人材の確保や定着に貢献します。 |
退職者側のメリット | 税負担の軽減: 退職金は「退職所得」として、他の所得とは別に計算され、「退職所得控除」という大きな控除が適用されます。これにより、給与所得として受け取るよりも税負担が大幅に軽減されます。 |
退職所得控除額は、勤続年数によって以下のように計算されます。
勤続年数 | 退職所得控除額 |
20年以下 | 40万円 × 勤続年数 (80万円に満たない場合は80万円) |
20年超 | 800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20年) |
【例】勤続30年の場合
控除額 = 800万円 + 70万円 × (30年 – 20年) = 800万円 + 70万円 × 10年 = 1,500万円
この控除額を差し引いた金額に1/2を乗じたものが課税対象となるため、税負担が非常に軽くなります。
個人事業主の場合、原則として自分自身に退職金を支払うことは認められません。ただし、小規模企業共済などの制度を利用することで、事業を廃止した際の資金を準備し、掛金を所得控除として節税することは可能です。
法人で生命保険に加入することで、支払った保険料の一部または全額を経費として計上できる場合があります。これにより、法人税の節税と同時に、将来の資金準備やリスク対策を行うことが可能です。
法人が契約する生命保険には様々な種類があり、契約内容によって経費にできる割合が異なります。
保険の種類 | 経費計上割合(損金算入割合)
⇒損金算入割合は消してください以下の文章からも削除してください |
主な特徴と節税効果 |
定期保険 | 期間の定めがある保険。保険期間が短いタイプは全額損金、長期平準定期保険などは保険料の1/2または1/3程度を損金算入できます。 | 死亡保障に特化し、掛け捨て型が多いため、保険料の大部分を経費にでき、法人税の節税効果が高いです。 |
終身保険 | 保障が一生涯続く保険。解約返戻金があるため、損金算入割合は一般的に低いです(1/2や1/4など)。 | 解約返戻金があるため、将来の資金準備としても活用できます。保険料は定期保険より高めです。 |
養老保険 | 満期があり、満期時に生存していれば満期保険金が支払われる保険。保険料の1/2を損金算入できます。 | 死亡保障と貯蓄機能を兼ね備えています。福利厚生目的で役員・従業員全員を被保険者とすることも可能です。 |
【ポイント】
保険の種類や保障内容を検討し、自社のニーズに合った保険を選択することが重要です。特に、返戻率の高い保険は、将来の資金として活用できるメリットがあります。
個人の生命保険料控除には上限がありますが、法人契約の生命保険は、一定の要件を満たせば支払った保険料の一部を経費にできます。これにより、より大きな節税効果が期待できます。
家族を事業専従者としたり⇒削除、役員として迎え入れたりすることで、家族への給与を経費として計上し、所得を分散できます。これにより、会社全体の所得税⇒法人税負担を軽減することが可能です。
個人事業主が青色申告をしている場合、生計を一にする家族を青色事業専従者とすることで、その家族に支払う給与を全額経費として計上できます。
【要件】
事業主一人に所得が集中するのを避け、家族に所得を分散させることで、所得税の累進課税を緩和し、家族全体の税負担を軽減できます。⇒法人の内容なので削除
事業の利益が増えてきた場合、個人事業主から法人化することで、家族を役員として迎え入れ、役員報酬を支払うことができます。
事業主一人に所得が集中するのを避け、家族全体で所得を分散することで、各人の所得税率を抑えることが可能です。また、役員報酬は会社の経費となるため、法人税の節税にもつながります。
比較項目 | 個人事業主(青色事業専従者) | 法人(役員報酬) |
節税効果 | 事業主の所得税軽減、家族の所得税発生 | 法人税軽減、役員の所得税発生 |
社会保険 | 家族は国民年金・国民健康保険 | 家族も社会保険(厚生年金・健康保険)に加入可能 |
退職金 | 支給不可(小規模企業共済などで準備) | 支給可能 (損金算入・退職所得控除あり) |
iDeCoは、個人が任意で加入できる私的年金制度であり、掛金が全額所得控除の対象となります。法人としてiDeCoを活用することも可能であり、節税効果を期待できます。
iDeCoに拠出した掛金は、全額が所得控除の対象となります。これにより、所得税と住民税の負担を軽減でき、将来の年金資産を形成しながら節税効果を得られます。
【例】所得税率20%、住民税率10%の人が月2万円(年24万円)iDeCoに拠出した場合
年間の節税額 = 24万円 × (所得税率20% + 住民税率10%) = 24万円 × 30% = 72,000円
⇒法人の内容なので削除
法人として、従業員のiDeCo活用を支援することも可能です。
法人税法上の課税所得がマイナスとなる「欠損金」(赤字)は、翌事業年度以降に繰り越して、将来の利益と相殺できます。これにより、将来の法人税負担を軽減することが可能です。
欠損金は、事業年度で赤字が発生した場合に生じます。この赤字は、一定の期間にわたって繰り越すことができ、将来利益が出た際にその利益と相殺することで、課税所得を減らせます。
将来の法人税の軽減: 事業の立ち上げ期や設備投資などで赤字が出た場合でも、将来の利益から赤字分を差し引くことで、課税所得が減り、法人税の負担を軽減できます。
法人の欠損金は、最長で10年間(平成30年4月1日以降に開始する事業年度に生じた欠損金の場合)繰り越すことができます。
【ポイント】
事業で使用する固定資産は、時間の経過とともに価値が減少します。この価値の減少分を費用として計上する「減価償却」は、法人税の節税対策として有効です。
減価償却とは、建物や機械装置、車両運搬具などの固定資産の取得費用を、耐用年数に応じて少しずつ費用として計上する会計処理です。
メリット:
減価償却には主に定額法と定率法があります。
償却方法 | 特徴 | メリット | デメリット |
定額法 | 毎年同じ額を償却する方法。 | 計算が簡単で、安定的に節税効果が得られる。 | 償却額が一定のため、初期の節税効果は低い。 |
定率法 | 初期に多くの費用を計上できる方法。 | 初期に大きな節税効果が得られる。 | 時間の経過とともに償却額が減少する。計算が複雑。 |
【ポイント】
自社の事業計画やキャッシュフロー状況に合わせて最適な方法を選択することが重要です。一般的に、事業開始初期に大きな節税効果を期待したい場合は定率法が有利とされます。
法人の法定償却方法は定率法となります。
資本金が1億円以下の中小法人には、法人税の軽減税率が適用されます。所得金額によって税率が異なり、事業の利益状況に応じて税負担が変わります。
中小法人は、一定の所得金額まで低い税率が適用されます。
所得金額 | 通常の法人税率 | 中小法人(資本金1億円以下)の軽減税率 |
年800万円以下 | 15% | 15%(通常は19%) |
年800万円超 | 23.2% | 23.2% |
【ポイント】
中小法人は、年800万円以下の所得に対して15%という低い税率が適用されます。これにより、大企業に比べて法人税の負担が軽減され、事業の成長を支援する仕組みとなっています。
事業の利益が増えてきた場合、所得税の累進課税によって税率が上がることがあります。特に、個人の所得税率が法人税率(軽減税率を含む)を超える場合には、個人事業主から法人化することで、全体の税負担が軽減されることがあります。
法人は、決算月を自由に設定できます。決算月を戦略的に選択することで、節税対策や資金繰りに有利な状況を作り出すことが可能です。
個人事業主は1月1日から12月31日までの期間で決算を行うことが定められていますが、法人は事業の特性や繁忙期などを考慮して、自由に決算月を設定できます。
決算月を変更することで、以下のようなメリットがあります。
法人税の節税方法は多岐にわたり、専門的な知識が必要です。
自社の状況に合わせた最適な節税対策を検討するためには、税理士などの専門家への相談をおすすめします。
節税対策は、それぞれ異なるメリットや要件があります。自社の事業規模や利益状況、将来の計画に合わせて、最適な対策を選択し、適切に実行することが重要です。
法人税の節税に関する疑問や具体的な進め方については、税理士などの専門家へ相談し、自社に合った最適な節税プランを立てることをおすすめします。
適切な節税対策を行うことで企業の資金を有効活用し、さらなる発展へと繋げましょう。
この記事の監修
高井俊明税理士事務所
高井 俊明(たかい としあき)
税理士 / 行政書士 / ファイナンシャルプランナー / 終活アドバイザー
1986年11月13日生まれ 近畿大学経営学部会計学科卒業大学卒業後、曹洞宗の大本山永平寺で修行ののち、堺市内の個人税理士事務所、大阪市内の大手税理士法人で7年勤務。2019年泉佐野市で独立開業。
南大阪(岸和田市、貝塚市、泉佐野市、泉南市、阪南市など)を中心に大阪府全域、和歌山県に対応しております。
上記以外の地域でも対応可能な場合がありますので、お気軽にご相談ください。
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